今回お邪魔したのは、築35年を超える分譲マンションの共用部です。 共用部の給水管更新工事に先立ち、地下機械室・受水槽室、そして屋上の高架水槽まわりを対象に現地調査を実施しました。
共用部の給水設備は管理組合が主体となって計画的にメンテナンスするものですが、内部の劣化は外から見ただけでは分かりません。 実際に機械室を開け、屋上に上がってみて初めて見えてくる「実態」がありました。
機械室に入って早々に気づいたのは、受水槽まわりの給水管を覆う保温材(グラスウール・アルミ箔)が全体的に劣化・剥落していたことです。 保温材の下では、配管本体の腐食が進行している懸念もありました。現地で確認・整理できた点をまとめると、次のような状態でした。
屋上に上がって特に深刻だったのが、高架水槽の状態です。本体外面全体にわたって腐食・変色が進んでおり、 なかでもボルト接合部からの腐食は特に著しいものでした。水槽を支える鉄骨架台にも錆が広がっており、構造的な安全性の観点からも早急な対応が必要と判断しました。
屋上の露出配管(白塗装)にも全体的な錆が見られ、壁を貫通する配管立上り部のまわりにも腐食の跡や防水処理の経年劣化が確認されています。
今回の調査箇所と、それぞれの判定結果をまとめます。
「うちはまだ大丈夫」と思っている方に、配管の一般的な寿命をお伝えします。 これはあくまで目安であり、使用頻度・水質・施工品質によって前後しますが、参考としてお読みください。
| 配管の種類 | 寿命の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 硬質塩化ビニル管排水管 | 30〜40年 | 変色・硬化が出始めたら早期対処を。 |
| 銅管給水管 | 20〜30年 | 緑青が出てきたら腐食が進んでいるサイン。 |
| ポリエチレン管給水管・近年多い | 30年以上 | 目安は長めだが、接続部の劣化に注意。 |
| 架橋ポリエチレン管最新型 | 50年以上 | 2000年代以降の物件に多い。 |
配管の素材は築年代によって異なります。1990年代〜2000年代築のマンションは銅管・硬質塩化ビニル管が多く、今まさに「交換を検討すべき時期」に差し掛かっています。
共用部の調査とあわせて、専有部(各住戸内)の給湯・給水管更新のご相談も並行して進めていました。 ある一室では、給湯管(銅管)・給水管(鉄管)ともに経年劣化が進んでおり、銅管・鉄管などを「架橋ポリエチレン管・塩ビ管に交換する」ご提案をしています。
天井裏や壁内に隠れた配管は、既存管を無理に撤去せず新しい配管を通す「更新工法」を採用することで、内装の解体を最小限に抑えられるケースが多くあります。 共用部・専有部を問わず、築30年を超えるあたりから配管の更新ニーズが重なって出てくることを、今回の調査であらためて実感しました。
共用部の工事や調査で専門家が現地に入るタイミングは、普段は目にすることのない設備の状態をまとめて確認できる良い機会でもあります。 住民の方の「住まいへの意識」も高まりやすく、管理組合・理事会との相談窓口も一本化されているこの時期に、専有部もあわせて点検するのが効率的です。
今回の調査では、共用部の給水管・保温材、止水弁・減圧弁、そして屋上の高架水槽・屋上配管について、いずれも早急な更新が必要という結果になりました。 一方でポンプ制御盤などの電気設備は正常に稼働しており、すべてを一律に交換するのではなく、劣化の状況に応じて優先順位をつけて更新していくことが重要だと感じています。
築年数の経ったマンションにお住まいの方は、共用部・専有部を問わず、一度配管の状態を確認してみてください。 見えない場所だからこそ、気づいた時には手遅れになっていることがあります。
①保温材の劣化は配管内部の腐食のサインになりやすい ②止水弁・減圧弁は腐食が進みやすく優先的な更新を ③高架水槽は構造安全性の観点からも早期対応が必要 ④専有部の配管も同時期に劣化が進みやすい ⑤無料相談・診断はAIチャットまたはお電話で
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