建物の傷みを調べ(調査)、その結果を報告書にまとめ(診断)、アドバイザーがご説明に伺います。
書類は会員サービスで保管し、必要なときにご連絡いただければお出しします。
建物調査 ── ご依頼の方と調べる場所を選んでください
- 調査箇所(部位)
- 外壁の全面、屋上、開放廊下・階段、バルコニーの床(専用使用部分)
- 調査内容
- ひび割れ、タイルの浮き、塗装の傷み、目地のシーリング、防水層の膨れ・破れ、排水口の詰まり
- 何年ごとに
- 5年ごと(大規模修繕の1〜2年前にも)
- 調査方法
- 目視・触る・打診(叩いて音を聞く)・赤外線・付着力試験・防水層の切り取り試験
東京都建築工事標準仕様書 第24章に沿った調査票で記録します - 国の様式
- No.2 屋根防水・No.3 床防水・No.4 外壁塗装等
- 調査箇所(部位)
- 縦の配管、貯水槽、ポンプまわり
- 調査内容
- 管の中の錆・詰まり、赤水、管の厚みの減り
- 何年ごとに
- 5年ごと(赤水・水漏れが出たときにも)
- 調査方法
- 内視鏡(細いカメラ)・管の厚みの測定・抜管
- 国の様式
- No.8 給水設備・No.9 排水設備
- 調査箇所(部位)
- 屋上、外壁、廊下、共用の配管
- 調査内容
- 雨水や漏水の入口と通り道
- 何年ごとに
- ―(雨漏り・漏水が起きたとき)
- 調査方法
- 雨染みの確認・聞き取り・散水試験
- 国の様式
- ―(お困りごとから)
- 調査箇所(部位)
- 手すり、鉄骨階段、共用の扉、玄関扉・窓サッシ(専用使用部分)
- 調査内容
- 手すり・階段・扉の錆、窓や金物の傷み
- 何年ごとに
- 5年ごと(鉄部の塗り替えの前にも)
- 調査方法
- 目視・触る
- 国の様式
- No.5 鉄部塗装等・No.6 建具・金物等
- 調査箇所(部位)
- エントランス・廊下などの共用の室内、塀・舗装・駐輪場などの敷地内
- 調査内容
- 内装の傷み、塀・舗装の傷み、使い勝手
- 何年ごとに
- 5年ごと(大規模修繕の1〜2年前にも)
- 調査方法
- 目視・聞き取り
- 国の様式
- No.7 共用内部・No.17 外構・附属施設
- 調査箇所(部位)
- お部屋の中(水回り・内装)
- 調査内容
- 床・壁・配管の状態、図面と今のお部屋の違い
- 何年ごとに
- ―(リフォームを考えたとき)
- 調査方法
- 管理規約の確認・目視・寸法の計測
- 管理組合との関係
- 管理規約で決まった工事の範囲と、届出の手続きを確かめます
- 調査箇所(部位)
- お部屋の分電盤、コンセント・スイッチ・照明
- 調査内容
- 分電盤の容量と回路の数、コンセント・照明の傷み
- 何年ごとに
- ―(容量を増やしたいとき、ブレーカーがよく落ちるとき)
- 調査方法
- 2段階で行います。①アドバイザーがご相談を受け、管理規約を確かめる → ②専門業者と一緒に伺い、分電盤・配線を調べる
- 管理組合との関係
- 建物全体の電気の容量に上限があるため、管理規約と管理会社に確かめます
- 調査箇所(部位)
- お部屋の中の給水管・給湯管、給湯器、蛇口(縦の配管との境まで)
- 調査内容
- 管の錆・赤水・水の出の悪さ、給湯器の年数、水漏れ
- 何年ごとに
- ―(赤水・水の出が気になるとき、給湯器の交換の前)
- 調査方法
- 2段階で行います。①アドバイザーがご相談を受け、図面と記録を確かめる → ②専門業者と一緒に伺い、配管・給湯器を調べる
- 管理組合との関係
- 縦の配管(共用部)は、管理組合の調査で確かめます
- 調査箇所(部位)
- お部屋の中のドア・引き戸・ふすま・収納の扉、網戸
- 調査内容
- 開け閉めの重さ、建付けのずれ、金物の傷み
- 何年ごとに
- ―(開け閉めが重いとき、リフォームの前)
- 調査方法
- 開け閉めの確認・目視・寸法の計測
- 管理組合との関係
- 玄関扉・窓サッシは共用部(専用使用部分)のため、管理組合に確かめます
- 調査箇所(部位)
- お部屋の壁・天井の壁紙、床(フロアー)
- 調査内容
- 壁紙のはがれ・カビ・汚れ、床のきしみ・浮き・傷
- 何年ごとに
- ―(張り替えを考えたとき)
- 調査方法
- 目視・触る・歩いて確かめる・管理規約の確認
- 管理組合との関係
- 床材を替えるときは、管理規約の防音(遮音)の決まりを確かめます
共用部は長期修繕計画の対象です(国土交通省「長期修繕計画標準様式」)。「何年ごとに」は、国の指針の「5年程度ごとの調査・診断」によります。
▼ 写真でご説明します(上のタブを押すと、手順が切り替わります)
外壁・防水調査の手順
竣工図・仕様書で、外壁の仕上げ(タイル・塗装)、防水の種類、面積を確かめます。
ひび割れ・欠け・錆汁を探し、手で触って塗装の粉(白亜化)を確かめます。
打診棒で壁を叩き、音の違いでタイルやモルタルの浮きを見つけます。
防水層の膨れ・破れ、排水口の詰まり、廊下・バルコニーの床のはがれを確かめます。
付着力試験で、塗り重ねられるか、張り替えが必要かを確かめます。
給排水管調査の手順
図面で、配管の材質・通り道・取り替えの記録を確かめます。
居住者アンケートで、赤い水・水の出の悪さ・水漏れを伺います。
細いカメラ(内視鏡)を入れ、管の中の錆こぶや詰まりを写します。
配管の一部を切り取り、半分に割って中を直接見ます(抜管調査)。
漏水調査(雨漏りを含む)の手順
漏れる場所と、雨の強さ・風向き・水を使った時間との関係を伺います。
天井や壁の染みの位置を、図面に記録します。
ひび割れ・白華・目地のシーリングの切れ・配管の継ぎ目など、水の入口を探します。
入口と思われる所に水をかけ、漏れが出るかを確かめます。
鉄部・建具調査の手順
手すりの根元、扉の下端、鉄骨階段など、錆の出やすい所を見て回ります。
錆で鉄が細っていないか、ぐらつきがないかを手で確かめます。
玄関扉・窓サッシの開け閉め、金物の傷みを、居住者の方に伺いながら確かめます。
その他の調査(共用内部・外構など)の手順
エントランス・廊下の床や壁、塀・舗装・駐輪場の傷みを見て回ります。
つまずき・暗さ・水たまりなど、日ごろ困っていることを伺います。
リフォーム前の調査の手順
管理規約・使用細則で、できる工事と届出の手続きを確かめます。
床のきしみ、壁のひび、配管の傷みを確かめます。
今のお部屋を測り、図面と違う所を書き残します。
直すべき所と、工事のときの注意点(音・水・共用部への影響)をまとめます。
電気設備の調査の手順
お困りごと(容量を増やしたい、ブレーカーが落ちる)と、使いたい機器を伺います。
建物全体の電気の容量と、お部屋で増やせる上限を確かめます。
電気の専門業者と一緒に伺い、今の容量(アンペア)・回路の数・古さを調べます。
焦げ跡・ぐらつき・つきの悪さを確かめます。
容量の変更や回路の追加など、必要な工事と費用の目安をまとめてご説明します。
給水設備の調査の手順
赤水・水の出の悪さ・水漏れなど、気になることと、いつからかを伺います。
配管の材質と通り道、これまでの取り替えの記録を確かめます。
給排水の専門業者と一緒に伺い、点検口から目で見て、必要に応じて細いカメラで管の中を写します。
給湯器の年数と、共用部の縦の配管との境を確かめ、どちらの直しが必要かをご説明します。
建具類の調査の手順
重さ・引っかかり・すき間を、一つずつ確かめます。
ちょうつがい・戸車・取っ手の傷みと、枠のゆがみを確かめます。
取り替えに備えて、扉と枠の寸法を測ります。
共用部(専用使用部分)なので、直し方を管理組合にご相談いただくよう、まとめてお伝えします。
壁紙・床フロアーなどの調査の手順
はがれ・カビ・汚れを確かめます。カビは結露が原因のことが多いため、結露の様子も伺います。
きしみ・浮き・へこみを、歩いて確かめます。
下の階への音を防ぐ決まり(遮音の等級)を確かめます。
張り替える範囲と、工事のときの注意点をまとめます。
診断 ── 建物調査の結果を報告書にまとめ、修繕の進め方までご提案します
- 1調査の結果
- 試験・測定の数字と、調べた場所
- 2考えられる原因
- 年数・施工や設計・使い方・漏水など
- 3場所
- 図面の番号・通り・階・方位。写真の番号と合わせる
- 4傷みの状態
- ひび割れの幅、浮きの面積、錆の範囲などを数字と単位で
- 5緊急度
- A早急に対応:剥がれ落ちる危険、錆汁を伴うひび割れ、爆裂、室内への漏水
B次の大規模修繕で対応:浮き、幅0.3mm以上のひび割れ、シーリングの破断、付着力の不足
C経過観察:細いひび割れ、白亜化(チョーキング) - 6修繕の指針
- 直し方の候補と、比べて決める点(解決策)
- 7他(図面との違い)
- 竣工図・仕様書と今の建物が違う点。数量の出し間違いを防ぐ
調査・診断のゴールは、報告書を出すことではなく、建物を長持ちさせる修繕につなげることです。
▼ お渡しする報告書と建物カルテの見本(画像を押すと大きく開きます)
報告書と建物カルテの見本



※ 見本です。中身は調べた結果で変わります。報告書の所見No.は、建物カルテにも同じ番号で書き写します。
お渡し・保管・取り出し ── 書類は会員サービスでお預かりします
報告書は、事実と推定を分け、現場で確かめた数字と写真で、やさしい言葉でまとめます。
調査と診断の流れ ── 8つの段階
いきなり現地を見るのではなく、図面と記録を読むこと、お話を伺うことから始めます。どの段階で何をするか、管理組合の皆さまに何をお願いするかを、写真と一緒にご説明します。
-
1
資料を確認する(見る)
- 竣工図・仕様書・仕上表、過去の修繕工事の記録、法定点検の報告書、長期修繕計画書を読みます
- まず設計図を写し、図面と今の建物の違いを洗い出しておきます
お願いすること:管理室・管理会社にある図面と記録をお貸しください(ない場合もご相談ください)引き【★写真差替】写真 No.2竣工図を広げて説明している場面撮影のポイント:人物は顔が写らない角度で -
2
お話を伺う(聞く)
- 理事の方・管理会社・居住者の方から、不具合と修繕の履歴を伺います
- 居住者アンケートで「いつ・どこで・どんな時に」を集め、調べる場所を絞り込みます
お願いすること:アンケートの配布と回収にご協力ください(用紙は当社でご用意します) -
3
予備調査 ── 図面を確かめ、建物の外から目で見る
- 建物の外から目視で、全体の様子と傷みの出ている所をつかみます
- 工事の見積りの前に行う調査も、これに入ります
お願いすること:敷地に入って外回りを見ることの、ご了承とお知らせ -
4
一次調査 ── 目で見て、触って、叩く(やってみる)
- 共用部分全体を、目視・指で触る・打診(叩いて音を聞く)で調べます
- 傷みのある場所を図面と写真に記録し、二次調査が必要な場所を決めます
お願いすること:屋上・機械室などの鍵の開錠と、掲示板でのお知らせ寄り【★写真差替】写真 No.3-2打診棒を当てている手元撮影のポイント:浮き範囲のチョーク囲みも -
5
二次調査 ── 機械で測る
- 一次調査で見つかった課題を、試験機で数字にします(付着力・中性化・シーリングの硬さ・赤外線・配管の内視鏡など)
- 調べるのは必要な場所に限ります
お願いすること:試験の場所と日時の掲示。小さな補修跡が残る試験は事前にご説明します引き【★写真差替】写真 No.6付着力試験(試験機を据えた状態)撮影のポイント:試験機と壁面が一緒に写るように -
6
三次調査 ── 試料を取って詳しく調べる
- 配管の一部を切り取る(抜管)、防水層を切り取るなど、原因を確定するための精密な調査です
- 傷みが著しい場合や、直し方に迷う場合に限って行います
お願いすること:断水などを伴う場合は日程の調整とお知らせ -
7
診断 ── 報告書と建物カルテにまとめる
- アドバイザーとAIで、傷みの現象・原因・緊急度・修繕の指針を、写真の番号と図面の位置に結び付けて記録します
- 図面と現状の違いも必ず書き残します(後で数量を出すときの誤りを防ぐため)
お願いすること:理事会での報告の時間をとってください。画面と紙でご説明します寄り【★写真差替】写真 No.12劣化部位図(傷みを書き込んだ立面図)撮影のポイント:数量の根拠として -
8
長期修繕計画に生かす
- 調査と診断の結果で、長期修繕計画の時期・内容・数量を見直し、建物の実情に合わせてご提案します
- 大規模修繕の仕様と数量の根拠として使います
計画書と見積の見直し方は 計画書・見積の検証(8軸) のページでご説明しています。
調査の段階 ── 必要な分だけ、段階的に
図面を確かめ、建物の外から目で見て全体の様子をつかむ
工事の見積り前にも共用部分全体を、目視・触る・打診で調べる
すべての建物で付着力・中性化・赤外線・配管の内視鏡など
必要な所だけ配管や防水層の一部を取り、原因を確かめる
必要なときだけアドバイザーとAIで、報告書と建物カルテに
傷みの緊急度をA・B・Cで費用・期間・ご依頼
- 費用
- 建物の規模と調査の種類によりお見積り(予備調査の目安:126,000円・税抜) 費用の目安を試算する →
- 期間
- 現地調査:1〜2日(建物の規模によります)
報告書のお渡し:1〜2週間(診断の内容によります。内容により専門の調査会社に依頼することがあります) - 費用が変わる点
- 調査の目的、建物の状態、図面が残っているかどうかで大きく変わります。使える助成制度があれば、あわせて確かめます
- 調べる範囲
- 「1 建物調査」の調べる場所(管理組合5つ・居住者5つ)から、必要なものを選べます。機械で測る調査は、必要な所だけ追加します
- ご依頼
- 共用部は管理組合から、専有部(お部屋の中)は居住者の方から
- お申込み
- ① ご相談の受付(無料)→ ② 予備調査(図面の確認・外から見る。約50項目のチェックリスト)→ ③ 調査計画とお見積り(理事会でご説明・ご承認)→ ④ 本調査 → ⑤ 診断・ご報告 → ⑥ 修繕のご提案・長期修繕計画への反映
調査の段階の違い
調査は、精度と費用に応じて段階的に進めます(業界では一次診断・二次診断とも呼びます)。通常の大規模修繕では「一次調査+必要な範囲の二次調査」で足りることが多く、三次調査は限られた場面で行います。
| 段階 | 何をするか | 主な方法 | 行う範囲 |
|---|---|---|---|
| 予備調査 | 建物の全体の様子をつかむ | 図面の確認と、建物の外からの目視 | 工事の見積り前などに行う |
| 一次調査 | 建物全体の傷みを大まかにつかむ(ふるい分け) | 目視・指で触る・打診・写真記録・アンケート | すべての建物で行う |
| 二次調査 | 一次で見つかった課題を数字で評価する | 付着力試験・中性化試験・シーリングの試験・赤外線調査・配管の内視鏡調査など | 必要な場所に限る |
| 三次調査 | 原因を確定し、精密に分析する | 配管の抜管調査・防水層の切り取り試験など | 必要なときだけ |