大規模修繕は、十数年に一度の大きな買い物です。
後から「こうしておけばよかった」とならないために。
現場ブログとコラム/管理組合の皆さまへ:知っておきたい5つの注意点。
「任せれば安心」とは限りません
管理会社や設計コンサルタントに任せきりにすると、見積が適正かどうかを確かめる人がいなくなります。
- 国土交通省が、一部の設計コンサルタントの不適切な例に注意を呼びかけています
- 丸投げも、無条件の信頼も、どちらもリスクになります
- 長期修繕計画は、どんな前提で作られているかを知ることから
建物の状態を知り、見積の中身で選ぶ
今の建物の状態を知っておくことが出発点です。そのうえで、業者は見積の中身で選びます。
- 定期診断の記録があれば、要らない工事を省けます
- 同じ条件・同じ数量で見積を頼み、中身で比べましょう
積立金で足りないときの、借り入れという方法
修繕積立金だけでは足りないとき、管理組合が金融機関から借り入れる方法もあります。
- 例:住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」
- 返済は積立金から。長期修繕計画と合わせて相談を
契約前と工事の終わりに、確かめておくこと
追加費用の決まりと、工事の仕上がり。どちらも、工事を請け負う側ではない人の目を入れておくと安心です。
- どんな場合に追加費用がかかるか、書面に書いてもらう
- 竣工検査には第三者の立場の専門家に立ち会ってもらう
「任せれば安心」とは限りません
管理会社や設計コンサルタントに任せれば安心、と考える方は多いと思います。ただ、任せきりにすると、見積が適正かどうかを確かめる人がいなくなります。
設計コンサルタント
国土交通省は、一部のコンサルタントが、自社に見えない謝礼(バックマージン)を払う工事会社が選ばれるよう工作し、割高な工事費や必要以上の工事に導いた例があるとして、注意を呼びかけています。安いコンサルタント料金で引き受け、工事費で取り戻す手口もあるとされています。
管理会社
管理会社や、そのグループの会社が工事も請け負う場合、発注する側と受ける側が近くなります。その分、管理組合の側で中身を確かめる必要があります。
出典:国土交通省「設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について(通知)」平成29年1月27日(別紙「不適切な事例」)/国土交通省 報道発表「マンション大規模修繕工事に関する実態調査を初めて実施」平成30年5月11日
長期修繕計画の「前提」を共有する
長期修繕計画をつくるときの国土交通省のガイドラインは一般論で、一つひとつのマンションにすべて当てはまるものではありません。勘違いしやすいのは、次の3点です。
1. 計画期間は30年
30年より先の工事や、暮らしをよくする工事の費用は入っていません。
2. 計画金額は概算
「今の価格・今の税率」で計算されていて、将来の値上がりは原則として入っていません。
3. 計画は決定ではない
将来の積立金の値上げも、計画の見直しも、その都度、総会での合意が要ります。
理事会・修繕委員会に求められるのは、金額が妥当かどうかを専門家として判断することではありません。「この計画は、どんな前提で作られているのか」を確かめ、その前提を区分所有者にそのまま伝えることです。
前提が共有されていれば、5年後の見直しで金額が上がっても、それは「約束が破られた」ではなく「前提が変わった」と受け止められます。
建物の状態を、定期的に確かめておく
適切な修繕をするには、建物の今の状態を知っておくことが出発点です。定期的に診断して記録を残しておけば、要らない工事を省き、本当に必要な所にお金を回せます。法律で決まった点検の報告書も、読み解いて残しておきましょう。
業者は「見積の中身」で選ぶ
修繕でいちばん大切なのは、信頼できる業者を選ぶことです。次のような業者には注意が必要です。
- 見積が極端に安い、または高い
- 工事の中身や数量がはっきりしない
手抜き工事で、工事をしたのに建物が傷んだまま、ということも起こり得ます。複数の会社に、同じ条件・同じ数量で見積を頼み、中身で比べましょう。
足りない費用は、借り入れという方法も
修繕積立金だけでは足りないとき、管理組合が金融機関から借り入れる方法もあります。たとえば、住宅金融支援機構の「マンション共用部分リフォーム融資」です。返済は積立金から行うことになるため、長期修繕計画と合わせて、専門家とよく相談のうえで決めましょう。
※ 融資の条件・金利は変わることがあります。最新の内容は、住宅金融支援機構の案内でご確認ください。
契約前と工事の終わりに、確かめておくこと
追加費用
契約の前に、「どんな場合に追加費用がかかるか」を書面に書いてもらいましょう。工事を請け負う側ではない、第三者の立場の専門家に内容を見てもらうと安心です。着工前の説明会でも、具体的に確かめてください。
施工の不具合
工事が終わったときの検査(竣工検査)には、第三者の立場の専門家に立ち会ってもらいましょう。気になる点は書面に残してもらうと、工事のあとのトラブルを防げます。
ご相談は無料です
見積や計画書のことで気になる点があれば、お気軽にご相談ください。
返信は通常2営業日以内。携帯 090-8628-3338(担当:久保田)